リウマチの症状が出る箇所

日本で関節リウマチにかかっている患者さんは約60万人から70万人と推計されています。
しかし、リウマチに対する認識には多くの人が誤解を持っているようです。
おばあさんに多い病気だとか、温泉に入ったら治るなどと思っている人も多いようですが、これらは誤解です。 入浴剤の効能書きにリウマチと書いてあるのを見ると、「お風呂に入れば治るのか」と思うのかもしれませんが、そんな単純で生やさしい疾患ではありません。
また、おばあさんになってから発症することもありますが、70歳以上の発症は数%ほどと少なく、おばあさんの病気ではありません。

関節リウマチはどんな病気?

では、リウマチはどのような病気なのでしょうか。リウマチは、膠原病の一種です。
本来はウイルスや細菌などの身体にとって外敵となるものを排除するために働いている免疫システムが誤作動を起こして、自分自身の身体を攻撃してしまう病気です。

おばあさんの病気ではなく、30歳代から50歳代の女性に多い病気です。約6割の患者さんは30歳代~50歳代です。
男女比は2016年のIORRAの調査によると、男性が14%、女性が86%と圧倒的に女性に多いです。

リウマチの場合は、自分自身の身体を攻撃するターゲットが関節の滑膜と言う部分です。
滑膜に炎症が起きるために、関節が腫れて熱を持ったり、疼痛が起きます。
滑膜炎が進行すると、関節液がたまったり、骨が破壊されることもあります。骨が破壊されるまで進行した場合は、関節が変形を来します。

身体には多くの関節がありますが、リウマチの患者さんが一番最初に腫れたり痛くなったりする関節は、手の指が圧倒的に多く、半数以上の患者さんが手の指が最初に痛くなっています。
次いで手首が約38%、足の指や足の裏が約25%、膝、肩、足首、肘、首と手の指に限りません。

また、指がこわばるという訴えも多いです。
朝起きた時に手の指がこわばって曲げにくい、開きにくいといった異変が起きます。
更年期障害でも見られますが、更年期障害が原因の場合は数回グーパーと開いたり曲げたりを繰り返しているとほぐれてきます。
長くても数分でこわばりがほぐれます。

しかし、リウマチの場合は起床時の指のこわばりが30分以上続くことが特徴です。
そして左手だけや右手だけではなく、左右両方の関節が動かしにくくなることや、触るとゴツゴツと硬いのではなく、ブヨブヨと柔らかいことも特徴です。
これら以外にも、体がだるくなったり、疲れやすい、微熱が続くなどもおこりますが、これらは膠原病に共通した不調だとも言えます。

関節リウマチという病名になっていますが、攻撃されるのは関節にとどまらないこともあります。
合併症としてドライアイや間質性肺炎、胸膜炎などを併発するケースもあります。

リウマチの原因は?

リウマチの原因は、既に述べたように免疫システムの誤作動です。
免疫細胞が誤作動を起こすと、滑膜細胞や免疫細胞が活性化します。そして関節に炎症が起きます。

関節は関節包と言う袋でおおわれていて、関節包の内側に滑膜が張っています。
滑膜からは関節をスムーズに動かすための円滑液である関節液が分泌されています。

滑膜に炎症が起きると滑膜が厚くなってきます。
その結果、関節液の分泌が増えて、関節内に水が溜まってブヨブヨと腫れて関節が痛くなります。
さらに滑膜の炎症が進行すると、滑膜が異常増殖して骨や軟骨を侵食し始めます。
軟骨が破壊されて、X線で見ると骨と骨のすき間が狭くなっているのが判ります。こうなると、関節が動きにくくなり、可動域も制限されてきます。

滑膜炎がさらに進むと、関節は亜脱臼したり変形を起こしてしまい、可動性を失って関節としての機能を果たさなくなってしまいます。
免疫システムが誤作動を起こすと、このように関節が壊れて行くのですが、なぜ免疫システムが誤作動を起こすのかといった詳細は、残念ながらまだ判っていません。

しかし、リウマチになるリスクが高い人は、様々な研究で判ってきました。
遺伝病ではありませんが、家族や親戚にリウマチの人や膠原病の人がいる場合は少しだけ発症リスクが高くなります。
喫煙している人、歯周病がある人も発症リスクが高くなります。

しかし、リウマチを発症するのは1つだけの要因ではなく、いくつもの要因が複雑に絡み合って起きると考えられています。
その要因の中にはケガや過労、感染症、なども関わっていると考えられています。

妊娠中の女性また女性に多いことや妊娠後や出産後に発症する人も多いことから、女性ホルモンとも何らかの関連性があるのではないかと考える専門家が多いです。
ストレスも多くの要因の一つだと考えられています。

関節リウマチの発症は感染症が原因になることがある

感染症が治った後や感染症が原因で、リウマチを発症することも時々あります。
その中でも歯周病と何らかの関連性があることは、恐らく間違いないだろうと言われています。

歯周病は、歯垢(プラーク)の中に潜んでいる歯周病菌によって起きる感染症です。
かからない人の方が少ない病気なので、軽く考えられがちですが、歯ぐきや口の中だけではなく、全身に影響を及ぼすことが近年判ってきました。
糖尿病や脳血管疾患との関連性などが盛んに言われていますが、どうやらリウマチとも関連があるようです。

歯周病菌などの外敵が体内に入ってくると、これをやっつけようと免疫システムが働きます。
これを泥棒と人で例えましょう。
泥棒が入ってきたからたくさんのメンバーを集めて退治した時の状況と、歯周病菌が体内に入って免疫システムが働いて退治しているときの状況は似ています。
もう泥棒は逃げていったのに、いつまでも暴れているメンバーがいるということもあるでしょう。

自己免疫疾患では、このように感染症にかかったことがきっかけになって、免疫システムが暴走してしまうことがあります。
感染症も発症リスクを高める要因となります。

歯周病や感染症にかかっても、リウマチにならない人も大勢います。歯周病になったからと言って、大半の人はリウマチにかかったりしません。
その差はどこにあるのかと問われると、やはり、一つだけの要因で発症するのではなく、偶然にいくつもの要因が重なったときに、それが複雑に絡み合って、ほどけなくなったときにリウマチを発症するのではないかと、考えられています。

歯周病などは放置しないで、早めに対処することが大切です。
インフルエンザなどが流行っている時期には手洗いやうがいなどで、自分自身でできる予防は実行しましょう。

ストレスが原因で関節リウマチになることがある

ストレスもリウマチの発症リスクを高める一因となります。
ストレスを感じる女性リウマチは、30歳代から50歳代の女性に多いという特徴がありますが、この時期は何かとストレスも多い時期だと考えられます。

お子さんの進学問題、子育てに対する悩み、ほかの保護者との付き合いの中で感じるストレス、仕事と家庭と育児の一人3役を務める中で感じるストレス、姑や義理の兄弟姉妹との関係の中で感じるストレスなども大きい時期でしょう。
また40歳から50歳代となると、熟年離婚などの夫婦間の問題や、親の介護でストレスを抱えることも多いでしょう。

今の世の中は何かと世知辛いことも多く、ストレスを感じない人などいないでしょう。
誰もが抱えきれないほどのストレスを背負っているともいえます。

しかし、リウマチを発症した人に「何かストレスがありましたか」と尋ねると、やはりいろいろな問を抱えて、壊れそうになっていた人、心が折れていたという人が多いです。
ストレスを抱えると、人の免疫力が低下するなど、ストレスと免疫が深い関係にあることがわかっています。
しかし、やはりストレスオンリーで発病するというものではなく、ストレスが大きいときに感染症にかかったり、大きな仕事を抱えていて過労状態だったり、事故にあって大けがをしたりと、いくつもの要因が複雑に絡みあって発症していると考えるのが妥当でしょう。

回避できるリスクは回避したいものです。
ストレスをなくすことはむつかしくても、できるだけストレスをためずに解消できるようにしましょう。避けられるストレスは避けるようにしましょう。
真面目だけが取り柄ではありません。たまには適当にさぼったり手を抜く術もうまく使ってください。
楽しい時間を作ったり、いやなことを忘れられる趣味を見つけたりして、うまく気分転換できると良いでしょう。